【ワイン旅】銘醸地を巡る!フランス7日間の旅 <準備編>

ボルドーの格付1級シャトー、シャトー・オー・ブリオンのぶどう畑

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【ワイン旅】銘醸地を巡る!フランス7日間の旅 <準備編>
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【ワイン旅】銘醸地を巡る!フランス7日間の旅 <後編> – 公開予定 –

(写真は、ボルドーの格付1級シャトー、シャトー・オー・ブリオンのぶどう畑)

ワインを学びはじめて、実際に生産地を訪れてみたい! と思ったことがある方は多いのではないでしょうか。ただし、いざ実行しようとすると、どのように周ればよいのか迷ってしまいますよね。

このコラムでは、「ソムリエになったら、絶対にフランスの銘醸地めぐりをしたい!」と決心していた筆者が、実際にブルゴーニュ・アルザス・ボルドー・シャンパーニュを7日間で旅した記録をご紹介します。これからフランスのワインを楽しむ旅に出る方の、一助となればうれしく思います。

ワインを味わう旅に出る

ワインの勉強をしていると名前を聞く、様々な国や地域のワイン。

やはり、せっかくなら実際に飲んでみたい! と思いますよね。

日本にいても ワインショップやレストランにはたくさんの産地から集められたワインたちが並んでいますし、オンラインでのワイン販売も充実しているので、世界の様々なワインを楽しむことはできます。

しかし、実際にそのワインがつくられた土地を訪れて、その土地の空気に触れてみたい、生産者を訪れてみたい、地元の食と一緒にワインを楽しんでみたい――そんな思いを抱く方も多いのではないでしょうか。

ただ、実際に旅をするとなると、時間が限られていたり、どのように周ればよいかわからず悩んでしまうこともあると思います。

筆者は、ソムリエになるための試験勉強中だった昨年秋、「ソムリエに合格できたら、必ずフランスに行って、憧れの銘醸地で最高のワイン体験をするんだ!」と決めていました。

ソムリエ試験の勉強をする中で、ワインを育むその土地ならではの風土や歴史への興味は増すばかりでしたし、ソムリエとして今後ワインをおすすめする上で、実体験は重要な説得力になるだろうと思いました。

折しも、2019年のゴールデンウィークは史上最長の10連休であることを知りました。

会社員のため、ここまで長い休みを堂々ととれる機会は滅多にない! と考え、意を決してフランス行きのチケットを予約しました。

ワインを巡る旅へ! 準備中にしたことは?

筆者は4月末~5月頭まで、フランスへの旅に出ました。

実際に現地を周ったのは7日間。

この間に、パリ→ブルゴーニュ→アルザス→ボルドー→パリ→シャンパーニュ……と、

約2,300 ㎞を移動。

おおよそ札幌→鹿児島への距離を、各地をたっぷり旅しながら巡ったので、かなり時間あたりのパフォーマンスが高い旅だったと言えるのではないかと思っています。

それでは、私が準備時期にしたことをご紹介します。

旅のルート決定は3カ月以上前に!

ゴールデンウィーク中の旅行のため、フライトだけは半年以上前からおさえていたものの、実際に旅のコースを決めたのは約3カ月前でした。

これについては、悔いの残った点でもあるので、その理由も併せてご紹介します。

この旅は友人と2人での旅行で、私はピノ・ノワール好き、友人はカベルネ・ソーヴィニョン好きのため、ブルゴーニュとボルドーは訪問先に決定

「フランスの庭」とも呼ばれるロワール地方や、個人的に大好きなヴィオニエとシラーの産地・ローヌ地方も捨てがたかったのですが、7日間で周らなければならないことを考え、比較的近い、北側に位置するアルザスとシャンパーニュも行き先として決めました。

ちなみに、この旅の計画で友人と私は旅程をシェアできるアプリを活用しました。

見学予定のワイナリーや、それぞれが別々に予約したホテル、かかった費用などを一括共有できて、旅程の確認や費用清算の際に非常に便利だったので、複数でご旅行の際はぜひおすすめです!

アプリ画面例

(実際の画面イメージです。)

準備その① 訪問したいワイナリーにアポイントメントを取る

各地を周るおおよその日程を決めたうえで、私はまず「訪問したワイナリーへのアポ取り」を始めました。

大手旅行会社が用意している、現地ツアー(一日もしくは半日かけて、現地集合・解散でワイナリーを訪問するツアー。ドライバーつきのことがほとんど。)もあるのですが、せっかく行くのであれば、自分できちんと生産者さんを選びたい! と思ったからです。

ただ、この方法は、現地ツアーに比べれば少々手間がかかるので、お好みかとも思います。

訪問するワイナリー候補を選ぶ上では、『ワイン生産者400』という本が、各生産者の特徴や歴史を簡潔にまとめてくれているので、大変参考になりました。

他にも、トリップアドバイザーで評価の高いワイナリーさんへも積極的に問い合わせをしました。

ほとんどのワイナリーでは、ホームページにワイナリー訪問の問い合わせ窓口となるメールアドレスを掲載しているので、ワイナリー側の都合さえ合えば、メールのやり取りで簡単にアポを取ることができます。

ワイナリーへのメール例

(私がワイナリーにお送りしたメールの例です。文章は簡潔を心掛け、【挨拶+訪問したい日+ワイナリーへの敬意を示す】という構成でした。)

※注意事項※

ただし、アポ取りについてはいくつか注意事項があります!

ひとつは、曜日です。

フランスでは、日曜日はほとんどのワイナリーがお休みになります。

(私はうっかりして、アルザスで希望のワイナリーに行けず仕舞いでした…)

メーデー(5月1日)やクリスマス前後のシーズン、そして収穫シーズンなども同様なので、ご注意ください。

また、もうひとつは、超有名ワイナリーはかなり早い時期に予約が埋まっているということ!

私はボルドーの五大シャトー(プロの中でも相当厳選されたソムリエしか受け入れないというシャトー・ラトゥールを除いて……)にダメ元でアタックしましたが、現地では平日にも関わらず「予約がいっぱいです」と断られ続け、唯一シャトー・オー・ブリオンだけが受け入れてくれました。

3カ月前なら大丈夫かとタカをくくっていたので、こればかりはどうしてもっと早く動かなかったのかと後悔しました。

準備その② 現地の案内人を探す

①のアポ取りと並行して行ったのは、現地で案内や車の運転をしてくださる方を探すことです。

ワイナリーの多くは、ぶどう畑のある場所、つまり都市からは離れた場所にあるので、訪問には車が必須です。

ワイナリーで試飲(デギュスタシオン “degustation”)した後は運転するのを避けたいですし、ワイナリーの方はたいてい英語が通じるとはいえ、フランス語でより細やかな通訳をしてもらえるに越したことはありません。

(その方がワイナリー見学の際も質問などしやすくなるため、私の場合は通訳の方をお願いして大正解でした!)

最近は、現地に住む傍ら、通訳やガイドをされている日本人の方もいらっしゃいます。

私はブルゴーニュ、アルザス、ボルドーでおひとりずつガイドの方をお願いしました。

通訳・ガイド紹介サイトに登録されている方もいらっしゃれば、個人でやっていらっしゃる方もいますので、口コミなども含めて色々検索してみることをおすすめします。

お支払いする金額は、人にもサービス内容にもよりますが、通訳・ガイド・運転を含めて朝~夕方の半日で40,000円前後が相場かと思います。

なお、ガイドを手配すれば、ワイナリーの予約まで代行してもらえることも多いようです。

準備その③ 地方間の移動手段と宿の確保

ワインの銘醸地巡りならではの、移動の多さがこの旅の大きな特徴でした。

地方間の移動手段はもっぱらフランス鉄道(SNCF)のTGV(ヨーロッパを代表する超高速列車)です。

(実は、今回の旅では、旅慣れた友人が手配してくれていたのですが…)

TGV

TGVは、必ず乗車前にチケットを購入しなければなりません。

駅の窓口で購入することも可能ですが、待ち時間が読めないため、絶対に事前購入がおすすめです。

SNCFは、「Oui.sncf」という非常に便利なスマホアプリを提供しており、ぜひ日本で事前のダウンロード&予約をおすすめします!

Oui.sncf ログイン画面

(初期設定をすると、出発地と行き先を入力する画面が出ます。)

Oui.sncf 予約画面

(日にちや時間を選び、検索。アプリ上でクレジットカード決済可能です。)

スマホアプリで予約していけば、チケットを印刷する必要もなく、アプリで表示されるQRコードを提示すれば乗車できる(もしくは乗車後に車内で提示)ため非常に便利です。

そして宿の手配ですが、今回はワイン銘醸地めぐりがメインの目的で、逆に言えばワインにかける費用以外は節約したかったため、ホテル予約サイトから、早割などを利用できるリーズナブルなホテルを探して予約しました。

ホテルではなく、アパルトメントの一部などを借りられるサービスを使うのも、部屋にキッチンがあることで、買ってきたワインとちょっとしたおつまみを宿泊先で楽しめるため、おすすめします。

フランスのスーパーはお惣菜のレベルが高いので、ディナーのために外出せず、帰りがけに買ってきて部屋で食べても十分美味しくいただけます。

(特に、ワイナリー巡り中は試飲に加えてお昼は外食で、夜までおなかがいっぱいになってしまったためちょうどよかったのです。)

準備その④ 海外SIMもしくはWi-Fiの準備

ついつい直前になるまで忘れがちなのが、現地での携帯電話の対応ではないでしょうか。

事前予約して空港で借りられるポケットWi-Fi(空きがあれば当日申込も可能)もありますが、筆者のおすすめは「海外SIMの購入→現地でのSIMカード入替え」です。

理由としては、Wi-Fiを別途持ち歩かなくて済むためバッテリーの心配がないことに加えて、通話つきのSIMであれば現地で電話をかけることができます。

フランスは公共交通機関でも遅れの多い国なので、緊急の場合にワイナリーやガイドさんへの連絡ができるようにしておけば安心です。

実際に筆者も、今回の旅では電話をかけられたおかげで、遅刻してもワイナリー見学に参加することができました。

なお海外SIMは通販サイト等で入手可能です。使用可能エリアを間違えないようにご注意!

準備その⑤ 全力でワインを楽しむために

最後に!

現地で全力でワインを楽しむために、その地方のワインの特徴はもちろん、できれば郷土料理・有名なチーズなどをぜひ覚えていきましょう!

ちなみに、筆者は現地でわからないことがあったときにそのままにするのが嫌で、カバンの中にソムリエ試験のテキストを入れて行きました。

…あまりにも重かったのでおすすめはしません。

もしKindleをお持ちであれば、お気に入りのワインの解説本をダウンロードしていくと便利でしょう◎

そして何よりも、旅行中は元気に過ごせることが大切です。

しっかりと体調を整えて、旅立ちに備えましょう!

今回はフランス、ワイン銘醸地めぐり旅行の事前準備についてご説明しました。次回はいよいよ、実際にどのように旅したか、ブルゴーニュ&アルザス編をご紹介します。

記事内容は記事作成時点の情報となります。

ソムリエ柁原めぐみ(Megumi Kajihara)
ソムリエ柁原めぐみ(Megumi Kajihara)

飲料のブランディングや広報を経験後、J.S.A認定ソムリエ資格を取得。現在は都内で酒類・飲料メーカーに勤務。
知識ゼロから一発合格を果たした経験と歴史・文化の知識を活かして、ワインをわかりやすく解説します。