今日は、なにノムノ?
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テンプラニーリョの特徴は? 料理との相性やおすすめ赤ワインをご紹介

今回は赤ワインのぶどう品種「テンプラニーリョ」についてご紹介します。この記事を読んだらあなたもこのスペインワインをきっと飲みたくなってくるはず。

テンプラニーリョとは?

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Photo by Will Keightley on Flickr

テンプラニーリョ(Tempranillo)は、スペインのリオハ地方を代表する黒ぶどう品種です。日本語ではテンプラリーリョ、テンプラニージョなどと呼ぶこともあります。

テンプラニーリョと言えばスペインワイン!

テンプラニーリョの「Temprano(テンプラーノ)」は「早熟」という意味で、同じスペインで代表的なぶどう品種であるガルナッチャ(グルナッシュ)に比べて、約2週間も早く成熟します。

テンプラニーリョの栽培面積は世界4位ですが、そのうちのほとんど(95%程度)をスペインと隣国のポルトガルで栽培しています。ただ、ポルトガルでは主にポートワインのブレンドに使用されるため、テンプラニーリョと言えばスペインワイン! と言い切ってしまっても過言ではありません。

テンプラニーリョのシノニムはいくつある?

同じぶどう品種でも名前が違うことを、ワイン業界では「シノニム」といいますが、テンプラリーニョは非常に多くのシノニムをを持つぶどうとして知られています。全てをあげると50を超えますが、一部を紹介すると、同じスペイン国内でも、ティント・フィノ、ティント・デル・パイス、センシベル、ウル・デ・リェブレなど、隣国のポルトガルでは、アラゴネスやティンタ・ロリスという名前で呼ばれています。

テンプラニーリョの代表的な産地

スペイン リオハ

リオハはスペイン北東部にある都市で、スペインで最初の原産地呼称制度を受けた生産地域の一つです。代表的なワイン産地といってよいでしょう。

スペイン リベラ・デル・ドゥエロ、トロ

スペイン中央北部に位置し、こちらもテンプラニーリョを多く栽培している地域です。ただし、テンプラリーニョはスペイン全土で栽培しています。

ポルトガル全域

ポルトガル全土では「ティンタ・ロリス」というシノニムで呼ばれますが、南部では「アラゴネス」という別のシノニムで呼ばれることもあります。こちらのティンタ・ロリスやアラゴネスはポートワインの原料にもなり、上質で甘美なポートワインになります。

その他の国としてはスペイン系の移民が多いアルゼンチン、近年ではオーストラリアやカリフォルニアでもつくられるようになってきました。

テンプラニーリョのワインの特徴

テンプラニーリョは、香り豊かでタンニンも豊富ですが、カベルネ・ソーヴィニョンほど強くはないため、アメリカンオーク樽で長期間熟成させるのが伝統的な製造法です。プラムやブラックベリーのような甘く甘美なアロマを持ち、熟成期間によっては焼き栗やコーヒーのような香ばしいニュアンスもあります。

多種多様な製法

テンプラニーリョ100%のワインもありますが、テンプラニーリョは他のぶどう品種とブレンドすることが多く、ガルナッチャやカベルネ・ソーヴィニヨン、マスエロ、グラシアーノなどとブレンドされる事が多いです。本来はテンプラニーリョの特性にあった、いわゆる「長期熟成型のフルボディ」タイプが造られていましたが、近年ではミディアムボディの早飲みタイプの赤ワインも造られており、多種多様なスタイルのテンプラニーリョワインが生産されるようになりました。

また、1990年から2010年までの20年間で栽培面積が5倍以上に広がっており、伝統産地ではない世界各地で造られているので、それぞれの産地で独自のブレンドをしていたり、製法を変えています。

樽熟成していない果実味を前面に出したものや、フレンチオークで熟成したものなど、そのレンジは幅広いです。

熟成期間

スペインのワインは熟成期間表示が細かく決められていることも特徴です。認定を受けたワインはボトル表記が義務付けされています。覚えているとワインを選定する際の参考になるので便利ですよ。

* Joven(ホーベン)―― 樽熟成1年以下、または全く樽熟成を行わないワイン

* Crianza(クリアンサ)―― 最低24カ月熟成(うち6カ月は樽熟成)

* Reserva(レゼルバ)―― 最低36カ月熟成(うち12カ月は樽熟成)

* Gran Reserva(グランレゼルバ)―― 最低60カ月熟成(うち18カ月は樽熟成)

デイリーワインとして気軽に楽しみたいのであれば、ホーベン、又はクリアンサが良いでしょう。少々価格帯が上がっても、良い具合に熟成を経たまろやかなワインがお好みでしたらレゼルバがオススメです。長い年月を経て複雑味を増した、心地よい口当たりのワインを楽しみたければ、グランレゼルバを飲んでみましょう。

一つのぶどう品種でこれだけ味わいの変化を楽しめるのが、うれしいですね。

テンプラニーリョに合う料理

プラム、バナナのような熟した果実の香りで軽やかな味わいのタイプもあれば、タンニンのしっかりある熟成されたコクのあるタイプまで、幅広い味わいが楽しめるのがテンプラニーリョの特徴です。今回はミディアムボディと、フルボディのタイプに分けてご紹介します。

ミディアムボディのテンプラニーリョ

トマト料理であるラタトゥイユ、スペイン料理で合わせるならばパエリアやアヒージョはしっかりした味付けがあって相性が良いでしょう。

また、現地のバルで出てくるようなフリッタータやイベリコ豚の生ハムを使ったピンチョスにも合います。マンチェゴのようなスペイン産の羊乳チーズともよくマッチします。

フルボディのテンプラニーリョ

程よい渋みと深みのある旨みがあるので、ローストビーフや羊料理、ジビエとのペアリングはばっちりです。和食ならば、肉じゃがやすき焼き、タレで味付けされた焼き鳥、鰻の蒲焼など、「醤油、みりん、砂糖」を使った料理とよくマッチします。中華では豚の角煮や麻婆豆腐、麻婆茄子にも合わせられます。

こちらもイベリコ豚を使った料理全般や生ハムとの相性は抜群に良いので是非お試しあれ。

テンプラニーリョのおすすめワイン3選!

1. セレステ・クリアランサ

テンプラニーリョ(100%)。

ジューシーな果実由来の甘味と、口いっぱいに広がるしなやかなタンニンが魅力。酸味のバランスも程良く、テンプラニーリョの芳醇さが目立った1本です。

2. ラモン ビルバオ レゼルバ

テンプラニーリョ、マスエロ、グラシアーノのブレンド。

甘いブラックベリーのニュアンスと適度に熟成されたまろやかなタンニン。飲み込んでからの余韻も長く、ゆっくりと楽しめる1本です。

3. リオハ ボルドン グランレゼルバ

テンプラニーリョ、マスエロ、ガルナッチャのブレンド。

長期熟成由来の迫力のあるボディで飲みごたえのある逸品に仕上がっています。グランレゼルバの中でも割合リーズナブルに手に入るので、是非、飲んでみてください。

記事内容は記事作成時点の情報となります。

ソムリエ吉川 大智(Yoshikawa Daichi)
ソムリエ吉川 大智(Yoshikawa Daichi)

世界中のワイナリーとワインバーを渡り歩いた飲兵衛な旅人。延べ40カ国200都市以上を訪問。ワインバーの店長を経て、現在はバイリンガルのエンジニアとして勤務。