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イタリアの至宝「サッシカイア」とは? 誕生の歴史や、ヴィンテージ、価格についても解説!

赤ワイン サッシカイア

ワイン好きな方ならば聞いたことがあるかもしれないワイン名、「サッシカイア」。イタリアの歴史に大きく関わったワインです。この記事ではサッシカイアの歴史、特徴、ヴィンテージと価格、セカンド・サードワインなどをご紹介します。この記事を最後まで読んで頂ければ、イタリアワインについての知識もつけることができると思います。お楽しみに。

サッシカイアってどんなワイン?

Sassicaia
Photo by Walter Schärer on Flickr

テヌータ・サン・グイドというワイナリーによって造られ、イタリア最高の赤ワインと賞賛されています。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、世界の名だたる高級ワインとも肩を並べ、イタリアのワイン造りに革命を起こしています。

「元祖スーパータスカン」サッシカイアの歴史

サッシカイアの誕生は、長いワインの歴史の中でみればごく最近です。その経緯については「スーパータスカン」という言葉を理解しておくと良いと思います。「スーパータスカン」を簡単にご説明しておくと、イタリア中部のトスカーナ州において、法律や格式、伝統に囚われることなく、自由に美味しいワイン造りを追い求めたワインです。具体的にはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどの「国際品種」を用いて「品質重視」のワインが造られます。

イタリアの伝統的なワイン造り

それまでのイタリアのワイン造りの特徴というと、「古くから栽培されてきたブドウ品種」で「伝統的な方法で醸造」し「国内消費のためのワイン生産」をしていたのです。そのためワインの生産量は世界トップレベルながら、技術的には世界に遅れをとっていました。

カベルネ・ソーヴィニヨンで趣味のワイン造り

スーパータスカンが生まれたのはトスカーナ州の「ボルゲリ」という海に面した地域です(ちなみにトスカーナで有名な「キャンティ」などのワインは内陸部で造られます)。

このボルゲリという地で、マリオ・インチーザ・ロケッタ公爵が1940年代からワインを造っていました。ボルドーワインの大ファンだった公爵はボルドーの言わずと知れたトップシャトーの「シャトー・ラフィット・ロートシルト」からカベルネ ・ソーヴィニヨンの苗木をもらい、趣味でのワイン造りをしていたのです。

その品質の高さから、1960年代後半より商業目的にワイン生産をシフトしていきます。ちなみにファーストリリースとなった1968ヴィンテージは伝説的な醸造家と呼ばれるジャコモ・タキスによって仕込まれています。当時のボルゲリでは土着品種を用いた白ワインとロゼワインしか*DOCに認められませんでした。そのため格付けとしては最下位のVino da Tavolaとされてしまったのです。

*イタリアは4段階の各付けがあり、上位からDOCG→DOC→IGT→Vino da Tavola(現在はVino)となっています。

格付けを変えた品質

Sassicaia, Tuscany Wine Tour
Photo by Megan Cole on Flickr

当初は格付けに認められなかったものの、あまりの高品質さに世界から一気に注目を集めました。要因は2つあると言われています。

モダンかつ衛生的な醸造
衛生管理のしやすいステンレス製タンクで発酵し、熟成はフレンチオークの小樽で24ヶ月間。それまでのイタリアではスラヴォニアンオークが主流だったようです。

恵まれたテロワール(気候風土)
カベルネ ・ソーヴィニヨンで有名なフランス・ボルドーと比較すると、ボルドーよりもやや温暖で、地中海性気候の影響により雨が少なく、ブドウがよく熟す点がボルゲリという地の特徴です。ちなみにサッシカイアはトスカーナの方言で「小石の多い場所」を意味しています。水はけの良い土壌を好むカベルネ ・ソーヴィニヨンに、最適な地であることが伺えますね。

というわけで、ボルゲリの赤ワインは格付け最下位のVino da Tavolaでスタートしましたが、人気のあまり格上のDOCやDOCGよりも高値で取引されるようになりました。こうなってしまうと法を守る役人たちは格付けの変更を余儀なくされました。そして1994年に、ついに、カベルネ ・ソーヴィニヨンなどの国際品種を用いたボルゲリの赤ワインがDOCに認められたのです。

サッシカイアが世界から注目を集めると、トスカーナの他のワイナリーもこれに続けと数々のスーパータスカンが誕生しました。サッシカイアはまさに、スーパータスカンの先駆けとなったのです。

サッシカイアの特徴

サッシカイアの魅力として挙げられるのはボルドーやカリフォルニアのトップシャトーに引けを取らない高い熟成能力でしょう。そのため若いうちは渋みが強く、力強さが前面に出ているためあまりオススメ出来ません。当初、サッシカイアはボルドースタイルを目指したワイン造りをしていました。

しかし現在ではボルゲリという地区のテロワール(気候風土)が表現され、世界トップクラスの赤ワインと賞賛されています。

サッシカイアのヴィンテージと価格

サッシカイアのヴィンテージとして評価の高い年は、2000年代に入ってからは2016、2009、2007、2006、2004、2003、2001年で、1990年代では1999、1998、1996、1995、1990年が比較的評価が高いと言われています。

価格帯としては若いヴィンテージのものであれば2万円台からネットで購入できるようです。

レストランなどでオーダーする場合ですと最低でも5~6万円はしますので、まさしく高級ワインと言えるでしょう。

サッシカイアのセカンドワイン・サードワイン

セカンドワインとは、簡単に言ってしまうとそのワイナリーにおける「2番手のワイン」です。ボルドーやカリフォルニアなどで高級ワインを手がける生産者から、ファーストワインの品質と認められなかったものがセカンドもしくはサードとして出荷されます。品質の低い安ワインと受け取られてしまうかもしれません。しかし主に樹齢の若いブドウ樹から造られたものや、選別の際に基準に満たなかったものというだけで、高い技術を持ったワイナリーのワインを楽しめるのです。

高級ワインであるサッシカイアはボルドーのワイン同様、セカンドワインとサードワインが存在します。セカンドワインの「グイダルベルト」は「早くから飲めるサッシカイア」というコンセプトのもと、2000年からリリースされています。

サードワインは「レ・ディフェーゼ」で、2002年からリリースされています。レ・ディフェーゼは親しみやすさを持ち合わせ、グイダルベルトよりもさらに早くから楽しめるワインです。

ただ、サッシカイアにおけるセカンド・サードの概念は他のワイナリーとは少し異なるようです。というのも全てブレンドされる品種が違います。ファーストのサッシカイアには「カベルネ ・フラン」を、セカンドのグイダルベルトには「メルロー」を、サードのレ・ディフェーゼには「サンジョヴェーゼ」がブレンドされます。それぞれの魅力を楽しみたいですね。

サッシカイアについておさらい

 ●イタリア・トスカーナ州の海沿いにあるテヌータ・サン・グイドというワイナリーで造る

●イタリアの歴史を変えたスーパータスカンの先駆け

カベルネ・ソーヴィニヨンカベルネ・フランをブレンドする、長く熟成できるしっかりした赤ワイン

●セカンドのグイダルベルトとサードのレ・ディフェーゼはよりリーズナブルで異なるスタイル

●初生産は1968ヴィンテージなので、50年前くらいに登場した

如何でしたでしょうか。今回はサッシカイアという高級ワインを取り上げましたが、イタリアのワインについても多少知見を深めていただけましたでしょうか。イタリアのワインはリーズナブルで高品質なものが多いので、ご家庭でワインを楽しむ時に選ばれることがあると思います。そんな時に少しでもこの記事の内容を思い出して頂ければ幸いです。

記事内容は記事作成時点の情報となります。

ソムリエ柴田 郁也(Shibata Fumiya)
ソムリエ柴田 郁也(Shibata Fumiya)

フランス料理店勤務時にソムリエに憧れ勉強を始め、23歳で日本ソムリエ協会認定ソムリエを取得。都内のミシュラン星付きのフランス料理店やビストロを経て現在中目黒B.B.S.DINING.にてソムリエとして勤務。