今日は、なにノムノ?
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ワインの「フルボディ」はどんな意味? ソムリエおすすめの赤ワインもご紹介!

フルボディについて相談

ワインを扱う飲食店に行き、メニューに「フルボディ」と書いてあったり、ソムリエに「こちらのワインはフルボディのタイプで…」などとおすすめされたことはありませんか? 一度は聞いたことがあるフレーズ、「フルボディ」。いったいどういう意味なのでしょうか。

今回は、ワインをレストランでセレクトするとき、またはワインショップで購入するときに、ソムリエやスタッフに相談するためのキーワードとしてよく使う、「フルボディ」についてご説明していきます。

フルボディって何?

フルボディのワインとは

お店でワインを頼むときに、たまにメニューに記載されていることがありますが、ワインのタイプは「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」と、大まかにこの3種類に分類することができます。しかし、この分類には正確な定義はなく、あくまでも「個人の感性」で大別しています。ですので厳密には人によって捉え方が異なりますが、私個人の意見としましては、ぶどうの種類ごとに下記のように捉えています。

●ライトボディ
ボジョレーヌーボーに使うガメイ、マスカット・ベーリーA、ピノノワール
ミディアムボディ
メルロー、ピノノワール、サンジョベーゼ、モンテプルチアーノ、カベルネフラン、ジンファンデル
●フルボディ
カベルネソーヴィニヨン、シラー、テンプラニーリョ、マルベック、プティシラー、ボルドーブレンド

「ボディ」という言葉は一般的には赤ワインを表すときに用いますが、白ワインを表現するときに用いることもあります。樽熟成由来のバニラ香やバターのような濃密な味わいと黄金色をしたモンラッシェや、カリフォルニアのシャルドネのような白ワインはフルボディだと言われたりしますし、またはソーヴィニヨンブランや甲州、アルバリーニョといったさっぱりした軽口タイプの白はライトボディだと言われます。

フルボディになる要素

簡単に赤ワインのフルボディになる要素や、見分け方についてご説明します。

ライトボディ

色味が薄く、飲んだ時に渋みが少ないワイン。味の主張は控えめで、飲み口がフレッシュで軽めのワイン。口当たりが軽いため、飲みやすいワインが多く、初心者の方も親しみやすいワインです。

ミディアムボディ

ライトボディとフルボディの中間の味わいをもつワイン。ライトボディほど軽くはないけれど、フルボディほど渋みもない。渋みや酸味、香りともにバランスが良いワインのことを指します。幅広いお料理に合わせることができます。

フルボディ

渋みが強く、香り、味ともに濃厚で、色味も濃いワイン。アルコール度数も総じて高めです。味や香りの主張が強く、濃厚な味付けのお肉料理にも負けません。

いかがでしたでしょうか。ボディの違いは先ほど言及したぶどう品種によっておおよその検討をつけることができますが、品種以外の生産地やヴィンテージといった要素でも味わいが変わってきますので、注意しましょう。その他の、フルボディタイプのワインの特徴をご紹介します。

①アルコール度数

ワインのふくよかさやコク、飲み口の印象など、ワインの味わいを左右する一つの要素がアルコール度数です。アルコール度数が高ければ高いほどボディが強くなる傾向にありますが、中にはアルコール度数が低くてもボディをしっかり感じられるワインがあるので、「アルコール度数の高いワイン」=「フルボディのワイン」というわけではありません。

②ポリフェノール(タンニン)

ポリフェノールは、ワインの中に含まれているアントシアニンやタンニンなどの総称を指しています。これらはぶどうの果皮や種子から抽出される成分ですが、赤ワインの場合は醸造方法や熟成方法によって、含有量が変わってきます。

タンニンが多いワインは長期熟成に向いていて、熟成させることによって渋みはよりマイルドになり、タンニンの豊富なワインに仕上がります。そのため、タンニンが豊富なぶどう品種を使ったワインほど、フルボディと表現されることが多いです。

フルボディのワインの楽しみ方 

フルボディのワインと食事

どんな料理に合わせたらいい?

フルボディ、とは渋みがしっかりとあって色も濃い、飲みごたえのあるタイプを指すので、赤ワインの場合でしたらやはり、お肉料理です。シンプルに赤身を焼いたステーキや、お肉のトマト煮込みなど、しっかりした味付けでインパクトのある料理と非常に相性が良いですね。

ちなみに、筆者が今まで一番のペアリングだと感じたのは和食の「すきやき」とカリフォルニアの「ジンファンデル」でした。醤油と砂糖のシンプルな割り下に、脂の乗った牛肉とまろやかな生卵のコラボレーション…。それにジンファンデル由来のベリー系の甘味と鼻にかすかに残るブラックペッパーのようなスパイス香が、すき焼きの旨味とぴったりと調和していました。

また、フルボディの白ワインには、やはりそのパワフルな味わいと勝負できる濃いものを選びましょう。ブルーチーズやモンドールなどのウォッシュチーズといった少し癖の強いチーズと合わせてみても良いですし、また樽香が強い場合はシンプルにバターをつけて焼いたバゲットでも十分美味しいです。ライトボディやミディアムボディのワインにもそれぞれ違ったおいしさがありますが、フルボディのワインは奥行きが深く、味や香りがダイレクトに伝わってきますので、あまりワインに詳しくない方でも「わかりやすく美味しい」と感じられる味わいが多いのです。

デキャンタージュしてみよう

デキャンタージュ

デキャンタージュとは、ワインをデキャンタと呼ばれるガラス容器に移す作業のことを指します。フルボディの赤ワインをデキャンタージュすることによって、以下のようにたくさんのメリットを得ることができます。

1. オリ(沈殿物)を除くことができる

全てのワインに該当するわけではありませんが、年代物でフルボディの赤ワインの一部には、ボトルの底部分にオリ(澱)が溜まっていることがあります。デキャンタにワインを移し替えることによって、ボトルの底にあるオリを沈殿させ、綺麗に飲むことができます。デキャンタージュの目的の一つは、このようにオリを除くことにあります。

2. 味わいがまろやかになり、香りがひらく

デキャンタージュを行うことで、今まで瓶内で眠っていたワインが、空気中の酸素に多く触れることができるため、風味がまろやかになることが科学的にも実証されています。

また、香りが開かない、変な匂いがする、というワインの場合でも、デキャンタージュすることによって最大のポテンシャルを引き出すことができます。

フルボディのワインのおすすめ3選

私が今まで飲んだ中で、ぜひお勧めしたいワインをご紹介します。

1. オリン・スウィフト アブストラクト

カリフォルニアのナパ、ソノマ、メンドシーノなどで作られているぶどうから産まれたオリン・スウィフト・セラーズの赤ワインです。重厚感のあるヘビーボトルはデザインも含め高級感があって圧巻です。プティ・シラー、シラー、グルナッシュのブレンドで、濃厚かつ味わい深いベリーの香りと確かなタンニンが余韻を長く感じさせてくれます。赤身のステーキに合わせてがっつり楽しんでいただきたいです。

2. アイアンストーン ジンファンデル ルース・ヴィンヤード オールドヴァイン リザーブ

こちらもアメリカ、カリフォルニアから。筆者がすき焼きとのペアリングをして衝撃を受けたワインです。甘いベリーの香りとほのかに残るスパイシーなニュアンスがたまりません。ジンファンデルの可能性を新たに感じた一本でした。おすすめです。

3. ヤルデン シラー

最後はイスラエルのワインです。イスラエルの名門ワイナリー、ヤルデンから、カベルネ・ソーヴィニヨンをご紹介します。シルキーな口当たりと確かなタンニン。フルボディな飲み口を存分に楽しめます。イタリア、フランスあたりのワインから卒業して、新たなワインを発掘してみたい方へ。

是非皆さんもフルボディのワインを楽しんでくださいね!

■参考書籍
The Wine ワインを愛する人のスタンダード&テイスティングガイド

記事内容は記事作成時点の情報となります。

ソムリエ吉川 大智(Yoshikawa Daichi)
ソムリエ吉川 大智(Yoshikawa Daichi)

世界中のワイナリーとワインバーを渡り歩いた飲兵衛な旅人。延べ40カ国200都市以上を訪問。ワインバーの店長を経て、現在はバイリンガルのエンジニアとして勤務。